ダイソーのモバイルバッテリーは価格が安いため、「発火しない?」「安全に使える?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
モバイルバッテリーにはリチウムイオン電池が使われており、ダイソーの商品に限らず、使い方や保管状況などによって発熱・発火する可能性があります。
今回は、実際にダイソーの5,000mAh・PD20W対応モバイルバッテリーを購入して充電してみました。
使用中に発熱や充電の停滞、異音が気になったため、ダイソーにも直接問い合わせてみました。
実際の検証結果とあわせて、モバイルバッテリーの危険性や過去の事故についても一次情報をもとに確認します。
モバイルバッテリーの安全性は?100均でも大丈夫?
モバイルバッテリーにはリチウムイオン電池が使われているため、ダイソーの商品に限らず、取り扱いには注意が必要です。
経済産業省でも、モバイルバッテリーについて強い衝撃や高温を避けるなど、正しく使用するよう注意を呼びかけています。
一方で、価格が安いことだけを理由に「危険」と判断することはできません。
そこで今回は、実際に購入したダイソーの商品について、PSEマークや安全機能、実際に充電した際の様子を確認しました。
参照:経済産業省「リチウムイオン蓄電池搭載製品の事故に気をつけましょう!」
今回購入したダイソーのモバイルバッテリー
今回購入したのは、容量5,000mAh・PD20Wの急速充電に対応したモバイルバッテリーです。

急速充電タイプの5000mAhを購入しました。

残量がランプで確認できます。
ダイソーのモバイルバッテリーにはPSEマークがある?
今回購入したモバイルバッテリーの本体を確認すると、PSEマークが表示されていました。

※見やすいように写真を加工しております。
モバイルバッテリー(リチウムイオン蓄電池)は電気用品安全法の規制対象となっており、対象となる製品を販売するには、技術基準への適合確認など必要な手続きを行ったうえで、PSEマークを表示する必要があります。
ただし、PSEマークは「絶対に発火しない」「どのような使い方をしても安全」という意味ではありません。
経済産業省でも、PSEマークが表示されたモバイルバッテリーを使用することに加えて、強い衝撃や高温を避けるなど、正しく使用するよう注意を呼びかけています。
参照:消費者トラブルFAQ「【用語解説】PSEマークとは何か。」
参照:経済産業省「リチウムイオン蓄電池搭載製品の事故に気をつけましょう!」
ダイソーのモバイルバッテリーを実際に充電してみた
実際に数回、スマートフォンを充電してみました。
問題なく充電できた回もありましたが、検証中に発熱や充電の停滞、「ジー」という小さな音が気になったことがありました。
いずれも毎回発生したわけではありません。以下では、気になったときの状況を詳しく紹介します。

本体が熱くなった
充電中、モバイルバッテリー本体が熱を持っていることに気づきました。
触れないほどではありませんでしたが、「このまま使って大丈夫なの?」と気になる程度には温度が上がっていました。
81%付近から充電が進まなくなった
充電開始時はスマートフォンのバッテリー残量が28%でした。
| 時刻 | 経過時間 | スマホの残量 |
|---|---|---|
| 21:30 | 開始 | 28% |
| 22:00 | 30分後 | 65% |
| 22:30 | 1時間後 | 81% |
| 23:00 | 1時間30分後 | 81% |
| 23:30 | 2時間後 | 81% |
| 23:30 | 一度抜き差し | - |
| 23:33 | 抜き差し3分後 | 82% |
| 23:42 | 抜き差し12分後 | 82% |
充電開始から30分で28%から65%、1時間後には81%まで増えました。
しかし、その後は1時間経過しても81%のまま変化がありませんでした。
そこで一度モバイルバッテリーを抜き差ししたところ、3分後に82%まで増えたものの、その後も充電は進みませんでした。
「ジー」という小さな音が聞こえた
さらに82%まで充電ができた後に、モバイルバッテリーから「ジー」という小さな音も確認しました。
近づいて聞かなければわからない程度でしたが、発熱や充電の停滞も同時に確認していたため、安全上問題がないのかダイソーへ問い合わせることにしました。
ダイソーに正常の範囲なのか問い合わせてみた
今回確認した、
- モバイルバッテリーの発熱
- 81%付近で充電が進まなくなったこと
- 「ジー」という小さな音
について、ダイソーのお客様相談室へ問い合わせました。
ダイソーからの回答によると、モバイルバッテリーとスマートフォンの安全装置機能により、充電が停止した可能性があるとのことでした。
また、充電中の発熱についても、充電時にはある程度の熱が発生することがあり、今回確認した程度であれば正常な範囲との回答でした。
また、よく確認してみると、パッケージの裏面にも「手で触れられる範囲の温度であれば問題ありません」と記載がありました。

「ジー」という音については、「コイル鳴き」と呼ばれる現象で、正常な使用の範囲内との回答でした。
さらに、今回購入した商品のパッケージ裏面を確認すると、「過蓄電・過放電・過電流・短絡保護回路」の記載がありました。

複数の保護回路が搭載されていることは、商品パッケージからも確認できます。
今回確認した発熱・充電の停滞・異音については、ダイソーから正常な仕様の範囲内で、使用・充電を再開して問題ないとの回答を受けました。
モバイルバッテリーでは過去に発火事故も発生している
モバイルバッテリーについて調べてみると、メーカーや販売店を問わず、過去に発火や発煙などの事故が報告されています。
事故の原因はさまざまで、製品自体の不具合だけでなく、落下などによる衝撃、高温環境での使用・保管などが関係する場合もあります。
そのため、モバイルバッテリーの発火リスクは「100均だから」「価格が安いから」という理由だけで判断できるものではありません。
ダイソーの商品についても過去の事故情報を確認したところ、大創産業が輸入した「リチウム電池内蔵充電器」で2019年に出火事故が1件公表されていました。
ただし、この事故について経済産業省は、「製品起因か否かを含め、事故原因の特定には至らなかった」としています。
また、事故が発生した製品は、今回購入した5,000mAh・PD20W対応の商品とは別の製品です。
引用:経済産業省「原因究明調査の結果、製品に起因する事故ではないと判断する案件」P17
モバイルバッテリーを使う上での注意点
モバイルバッテリーを安全に使用するためには、メーカーや価格にかかわらず、使い方や保管方法に注意する必要があります。
特に、
- 高温になる場所に放置しない
- 強い衝撃を与えない
- 水に濡らさない
- 熱がこもりやすい場所で充電しない
といった点には注意しましょう。
また、膨張・変形・異常な発熱などが確認された場合には、使用を中止することが重要です。
特に高温になる夏場は、モバイルバッテリーの取り扱いに注意が必要です。NITEによると、リチウムイオン電池搭載製品の事故は春から夏にかけて増加する傾向があり、8月にピークを迎えています。
今回ダイソーからも、手で持てないほど高温になった場合や外装が変形した場合には、直ちに使用・充電を中止するよう回答を受けています。
モバイルバッテリーだけでなく、充電式カイロなどもリチウム電池を使用しているので同じく注意が必要です。
▶【危険回避】充電式カイロの発火リスクは?安いモデルで失敗しない注意点
参照:NITE「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を ~「リチウムイオン電池搭載製品」は3つのCで事故を防ぎましょう!」
参照:経済産業省「モバイルバッテリーを購入する際には、PSEマークを確認してください。」
まとめ|モバイルバッテリーは正しく使うことが大切
ダイソーのモバイルバッテリーについて調べましたが、「100均だから危険」「安いから発火しやすい」と一概に判断することはできません。
今回購入した商品にはPSEマークが表示され、説明書には複数の保護回路についても記載されていました。
実際の充電では発熱・充電の停滞・小さな異音を確認しましたが、ダイソーへ問い合わせた結果、今回確認した現象は正常な仕様の範囲内との回答でした。
一方、モバイルバッテリーに使われるリチウムイオン電池には、メーカーや価格にかかわらず発熱・発火のリスクがあります。
ダイソーの商品だからと必要以上に怖がるのではなく、異常がないか確認しながら正しい方法で使用することが大切です。
ダイソーにモバイルバッテリー用の耐火袋があるか、調査しています。こちらも参考にしてください。
▶モバイルバッテリーの耐火袋は100均にある?ダイソーで代用品も探してみた

