生の魚を食べるときに、どうしても頭をよぎるのが「アニサキス」の存在です。
ニュースで食中毒の事例を目にすると、「うちの刺身は大丈夫かな?」と心配になる方も多いのではないでしょうか。お腹の激痛や嘔吐を引き起こすと聞けば、できることなら確実に避けたいものです。
そんな中で「ライトを当てればアニサキスが見えるらしい」という話を聞くと、つい試してみたくなりますよね。
でも実際のところ、ライトで照らして目視で確認することに、本当に意味があるのでしょうか。
そこで今回は、実際に 100均で売られているUVライト と、プロも使う 津本式アニサキスライト(YF-980) を用意して検証しました。どこまで違いがあるのか、体験談を交えて紹介します。
100均ライト(ハンディタイプ)のスペック
100均で「アニサキス用ライト」という商品は見つけることができませんでした。その為、レジン硬化用のUVライトを使用してみます。

今回はセリアで購入しました。
ライト名 | 価格 | サイズ | 電源 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
100均UVライト(ハンディ) | 110円(税込) | 約9cm | 単4電池×3 | 青色LED、レジン硬化用、光量弱め |
100均UVライトをサバに照射してみた結果
こちらのサバに、UVライトを当てて反応を検証します。

サバの切り身に100均ライトを当ててみましたが、アニサキスらしき反応はほとんど確認できません。

光は出るものの暗めで、肉眼での判別は非常に厳しい印象です。
「浅い部分にいる寄生虫が見えることもある」と言われますが、光量も波長も不足しているため、家庭で目視するにはほぼ無理でした。
白い壁に当てても、薄暗い光なのがわかります。

それなら…津本式アニサキスライト(YF-980)の紹介
100均ライトではほとんど見えなかったため、次は津本式アニサキスライト YF-980を使用します。

ライト名 | 価格 | サイズ | 電源 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
津本式アニサキスライト YF-980 | 約4~5,000円 | 約16cm | 単三電池×2 | 特定波長(可視光+UV中間)、肉眼でアニサキス浮き上がる |
このライトは、特定波長を発することでアニサキスが光を反射し、肉眼で浮き上がって見えるのが特徴です。
※ライトを直視すると危険なため、注意してください。
- 光源 紫外線LED
- 波長 365nm
- UV強度 約11mW/cm2
- 防水性 IPX7
魚をさばく際には、手が濡れているので、防水性能が付いてるのは実用的で嬉しいですね。
「Cタイプの充電式」もあります。
津本式ライトYF-980をサバに照射してみた結果
サバにライトを当てると、肉眼では全く見えなかった白い糸状のものが浮かび上がり、驚くほどはっきり確認できました。

子どもも「うわっ!」と声を上げるほどです。
今までテレビなどでは、見たことはありましたが、「本当にいるのかな?」と疑問に感じていました。しかし、実際に肉眼でアニサキスを見ることで、危険性をリアルに感じれたようです。
以下、拡大写真です。

さらにライトを手に当てるとほんのり温かさを感じ、床を照らすと細かなゴミまでくっきり見えるなど、光の強さと波長の違いを実感しました。ライトの色も100均と違うことが分かります。

ライトの限界と食中毒を防ぐ確実な方法
しかし、ライトを使用しても魚の内部に潜り込んだアニサキスは見えません。表面や浅い場所を確認する補助ツールに過ぎず、100%安全を保証するものではありません。
確実に食中毒を防ぐ方法はシンプルです:
- 70℃以上で加熱
- −20℃で24時間以上冷凍
どちらかを行えば、アニサキスは死滅します。刺身で食べる場合でも、リスクは残ることを覚えておきましょう。
まとめ│アニサキスライトは意味ないのか?
「アニサキスライトは意味ない」と言われるのは、ライトだけでは見落としがあるためです。
しかし、津本式ライトを使えば肉眼では分からない寄生虫を浮かび上がらせることができるのは事実。100均ライトとの差は歴然でした。
つまり、アニサキスライトは「意味がない」のではなく、リスクを減らす補助道具といえます。家庭で魚を扱う安心材料や、子どもと一緒に観察して食の安全を学ぶツールとして活用できます。
実際に、アニサキスにライトを照らして子供に見せることで、寄生虫の危険性も知れるきっかけになると思います。
価格は少し高めですが、子供に経験を積ませるには購入してよかったと思える商品でした。