【超簡単】キッチンの頑固な油汚れは重曹でスルッと落ちる！体験談＆掃除術

キッチンの油汚れは、放置するとどんどん落ちにくくなります。

これは、油が酸化して固まるだけでなく、新しい油が古い油にくっつく「親和力」という性質があるためです。

しかし、適切な方法で掃除すれば、驚くほど簡単に汚れを落とすことができます。

重曹が油汚れに効く理由とは

キッチンの油汚れと聞くと「ベタベタして厄介…」と感じますよね。

でも、なぜ重曹がこの頑固な油汚れに驚くほど効果的かご存じでしょうか？
まずはそのメカニズムについて、ご説明します。

油汚れの主な成分は、実は「酸性」です。

一方、重曹（炭酸水素ナトリウム）は「弱アルカリ性」の性質を持っています。

水と油が混ざりにくいのはご存知の通りですが、酸性の油汚れにアルカリ性の重曹を作用させると、「中和反応」が起こります。
この反応によって、油の成分が脂肪酸ナトリウム（石鹸の主成分）という物質に変化します。

つまり、重曹は油汚れを石鹸のように水に溶けやすい形に変化させ、乳化（水と油が混ざり合う状態）させる働きがあるんです。これによって、ベタベタした油汚れが水で流しやすくなり、拭き取るだけでスルッと落ちるようになります。

重曹の粉末を触ってみると、とても粒子が細かいことがわかります。

この結晶が、頑固にこびりついた油汚れを物理的に削り取る「研磨作用」を発揮します。

クレンザーのようにゴシゴシ擦る必要はなく、重曹ペーストなどで汚れの上に塗布して少し置くだけで、細かな粒子が油汚れの表面に作用し、汚れを浮かせたり、絡め取ったりする効果が期待できます。

素材を傷つけにくい硬さなので、安心して使える点も大きなメリットです。

これは少し専門的になりますが、重曹が油汚れに作用すると、中和反応だけでなく「鹸化（けんか）作用」も起こると言われています。

鹸化とは、油がアルカリと反応して石鹸とグリセリンに分解される化学反応のことです。

特に加熱された古い油汚れは、重曹のアルカリ性と反応しやすく、この鹸化作用によってさらに油汚れの分解が進み、落としやすくなります。

「40度程度のぬるま湯で油を温めると、粘度が下がり、より汚れが落ちやすくなる」と聞いたことはないでしょうか？

これには以下の科学的な理由があります。

油の粘度低下: 油は温められると分子の動きが活発になり、ドロドロとした粘度が下がってサラサラになります。これにより、重曹成分が油汚れの奥深くまで浸透しやすくなります。
化学反応の促進: 化学反応は、温度が高いほど活発になる性質があります。重曹と油の中和・鹸化反応も、適切な温度（40度程度）で温めることで効率的に進み、油汚れの分解が速くなります。
拭き取りやすさの向上: 温かい油は冷たい油よりも拭き取りやすく、また、重曹が溶けやすくなるため、掃除後の拭き残しも減らせます。

これらの科学的なメカニズムを理解すると、ただ重曹を使うだけでなく、より効果的にお掃除を進められるはずです。