モバイルバッテリーを見ていると、「5000mAh」「10000mAh」などの容量が記載されています。
ところが、本体の表示をよく見ると、5000mAhのモバイルバッテリーなのに「定格容量3000mAh」と書かれていることも。
「5000mAhあるんじゃないの?」「残りの2000mAhはどこにいったの?」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、実際に自宅にある5000mAhのモバイルバッテリー2台と、20000mAhのモバイルバッテリー1台を確認し、表記されている容量と定格容量の違いを比較しました。
定格容量とは何なのか、なぜ表記されている容量より少なくなるのかについても解説します。
モバイルバッテリーの定格容量とは?
モバイルバッテリーには、「5000mAh」など大きく表示されている容量とは別に、「定格容量」が記載されている場合があります。
定格容量は、モバイルバッテリーから機器へ出力する際に使用できる容量の目安です。表記されている5000mAhなどの容量を、そのままスマートフォンの充電に使えるわけではありません。
実際に手持ちのモバイルバッテリーを確認してみると、容量と定格容量には違いがありました。
実物3台の容量と定格容量を比較してみた

今回確認したのは、以下の3台です。
| 製品 | バッテリー容量 | 定格容量 |
|---|---|---|
| グリーンハウス | 5000mAh・3.7V(18.5Wh) | 2300mAh・5V |
| HIDISC(ダイソーで購入) | 5000mAh・3.7V(18.5Wh) | 3000mAh・5V |
| オーム電機 | 20000mAh・3.7V | 12600mAh・5V |
※数値は筆者所有品の本体表示を確認して記載しています。
3台とも、バッテリー自体の容量より5Vでの定格容量のほうが小さくなっています。
さらに注目したいのが、同じ5000mAhでも定格容量が同じではない点です。
それぞれ詳しく見てみましょう。
グリーンハウスの5000mAhは定格容量2300mAh

グリーンハウスのモバイルバッテリーには、
- 3.7V・5000mAh・18.5Wh
- 定格電圧:5V
- 定格容量:2300mAh
と記載されています。
本体には5000mAhのバッテリーが搭載されていますが、5Vでの定格容量は2300mAhです。
ダイソーの5000mAhは定格容量3000mAh

ダイソーで購入したHIDISCのモバイルバッテリーにも、
- 容量:5000mAh・3.7V(18.5Wh)
- 定格容量:3000mAh・5V
と記載されています。
こちらもバッテリー容量は5000mAhですが、定格容量は3000mAhです。
先ほどのグリーンハウス製品と比較すると、同じ3.7V・5000mAh・18.5Whでも、定格容量は2300mAhと3000mAhで異なっています。
そのため、同じ5000mAhと表示された製品でも、定格容量が同じとは限りません。
なお、このダイソーの5000mAhモデルについては、実際にスマートフォンを充電して、充電速度なども検証しています。
▶︎ ダイソーのモバイルバッテリー5000mAhをレビュー!急速充電はできる?実際に使って検証
20000mAhでも定格容量は12600mAh

オーム電機のモバイルバッテリーには、
- リチウムイオン電池:3.7V・20000mAh
- 定格電圧:5V
- 定格容量:12600mAh
と記載されています。
20000mAhと聞くと、その容量をそのままスマートフォンのバッテリー容量で割って「何回充電できるか」を計算したくなります。
しかし、実際には電圧の違いや変換時のロスがあるため、20000mAh÷スマートフォンのバッテリー容量=実際の充電回数とはなりません。
なぜ5000mAhが3000mAhになる?
モバイルバッテリー内部のリチウムイオン電池は平均3.7Vですが、USB端子から出力するときは5Vに変換されます。
この電圧を変換する過程でロスが発生するため、表記されている容量をすべてスマートフォンの充電に使えるわけではありません。
なお、5000mAhは3.7V、定格容量3000mAhは5Vと電圧が異なるため、「5000mAhから3000mAhになった=40%減った」と単純に計算することもできないのです。
参考:Anker Japan「モバイルバッテリーの容量はどれくらいがおすすめ?」
同じ5000mAhでも定格容量が違うのはなぜ?
今回比較した2台は、どちらも3.7V・5000mAh(18.5Wh)です。
しかし、5Vでの定格容量は、
- グリーンハウス:2300mAh
- ダイソー・HIDISC:3000mAh
と異なっていました。
ただし、700mAhの差が生じている具体的な理由については、本体の表示だけでは判断できません。
そのため、「ダイソーのほうが変換効率が高い」「グリーンハウスのほうが性能が低い」などと、この数値だけから断定することはできません。
モバイルバッテリーは「5000mAh」だけを見て選ばない
モバイルバッテリーを選ぶときは、「5000mAh」「10000mAh」「20000mAh」といった容量が目につきます。
もちろん容量は選ぶ基準のひとつですが、今回の実物比較からもわかるように、同じ5000mAhでも定格容量まで同じとは限りません。
また、充電速度を重視する場合は、容量だけではなくUSB PDへの対応や最大出力なども確認したいポイントです。
ダイソーでも5000mAhや10000mAhなど複数のモバイルバッテリーが販売されていたため、容量・出力・価格などを比較しました。
▶︎ ダイソーのモバイルバッテリーを比較!種類・値段やおすすめを紹介
モバイルバッテリーの容量に関するよくある疑問
5000mAhなら5000mAh分スマホを充電できる?
単純に5000mAh分をそのままスマートフォンへ充電できるわけではありません。
モバイルバッテリー内部のリチウムイオン電池とUSB出力では電圧が異なり、電圧変換時にはロスも発生します。
定格容量はモバイルバッテリーのどこを見ればわかる?
今回確認した3製品では、本体の仕様表示部分に定格容量が記載されていました。
ただし、表示方法は製品によって異なります。
「容量」「電池定格容量」「定格容量」「定格電圧」などの表記を確認してみましょう。
まとめ|モバイルバッテリーは表記容量と定格容量が同じとは限らない
モバイルバッテリーには5000mAhや20000mAhなどの容量が表示されていますが、その数字をそのままスマートフォンへの充電に使えるわけではありません。
今回、手持ちの3台を確認したところ、5000mAhの2製品は定格容量2300mAhと3000mAh、20000mAhの製品は定格容量12600mAhと記載されていました。
また、3.7Vで示されたバッテリー容量と5Vで示された定格容量では電圧が異なるため、mAhの数字だけを見て「これだけ容量が減った」と判断することもできません。
モバイルバッテリーを選ぶ際は、表面に大きく書かれた容量だけでなく、本体やパッケージに記載された定格容量や電圧、出力も確認してみると、製品の違いがわかりやすくなります。
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