Nintendo Switchを長く使っていると、ジョイコンのスティックが勝手に動いたり、ゲームソフトが読み込まなくなったりすることがありますよね。
修理に出すとお金も時間もかかりますが、実は自分で修理することも可能です。
しかし「自分で修理したいけど、修理道具って100均で揃うの?」「修理キットはどこで買えるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Switchの代表的な故障である「ジョイコンのスティック不調」と「ゲームカードスロットのエラー」の修理方法を、各工程を写真付きで丁寧に解説します。
さらに、修理中に起こりがちな「ネジ穴が潰れた」ときの対処法までご紹介します。
修理を始める前に準備するもの|100均で揃う?
自分で修理する際は、専用の工具が必要です。結論からお伝えすると、100均ではSwitchの修理に必要な工具をすべて揃えることはできません。
Switchの修理には、通常の精密ドライバーでは開けられない特殊なY字ドライバーが必須です。100均には一般的な精密プラスドライバーはありますが、このY字ドライバーは見つかりません。
そのため、修理キットはAmazonや楽天市場などのネットショップでの購入が一般的です。
ジョイコン修理キットはどこで売ってる?
修理キットは主にネットショップで購入できますが、実店舗でも取り扱いがある場合があります。
【ネットショップ】
- Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング: 最も手軽な購入方法です。工具と交換パーツがセットになった商品が多数販売されており、解説動画付きのものもあります。
【実店舗】
- 家電量販店: ヤマダ電機やヨドバシカメラ、ビックカメラなどの家電量販店で販売されていることがあります。
- ディスカウントストア: ドン・キホーテでも販売されていたという情報があります。
必須の道具

- Y字ドライバー: Switchの特殊なネジを開けるために必須です。
- +(プラス)ドライバー: 内部のネジを外すのに使います。
- ヘラ: ケースや部品をこじ開けるときに便利です。
- ピンセット: 細かいネジやフレキシブルケーブル(FPCケーブル)を扱うときに非常に役立ちます。
- 交換用パーツ: 修理する箇所に応じたパーツ(交換用スティック、ゲームカードスロットなど)。
あると便利なもの
- 仕切り付きケース: 外したネジは非常に小さく、紛失しやすいため、仕切り付きのケースがあると種類ごとに分けて保管できます。
- 予備ネジ: SwitchのY字ネジは、プラスネジに比べて溝が浅く、力がかかりにくいため、なめやすいという特徴があります。予備を持っていると安心です。
- 無水エタノール: 清掃に使用します。(クレ556でも代用可能)
【ケース別】写真で解説する修理方法
ここからは、故障箇所別の具体的な修理方法を、各工程ごとに写真を交えながら詳しく解説します。
作業を始める前に、必ず本体の電源を切り、SDカードやゲームソフトを抜いておきましょう。
ジョイコンのスティックが勝手に動く場合
Joy-Conのスティックが勝手に動く、誤作動するなどの症状が出た場合は、スティックを交換することで改善することがほとんどです。
カバーを外す
- Joy-Conの背面にあるY字ネジ4本を外します。

- ポイント: Y字ドライバーはネジ穴を潰さないよう、ドライバーをしっかり押し付けながら回すのがポイントです。
バッテリーを外す
ネジを外したら、ヘラを使ってカバーの隙間を少しずつ広げます。

カバーを開けるとバッテリーが見えます。テープで接着されているため、ヘラを使ってゆっくりと剥がし、コネクタを真上に引き抜いて外します。


バッテリー下のカバーを外す
バッテリーの下にあるカバーをネジで外します。ネジは3本です。

カバーを外すと、Rボタンのところに短いケーブルが付いているのが分かります。
凄く短いので、カバーを外すときはゆっくりと慎重に開けてください。


アナログスティックを外す
まずは、へらを使ってコネクタを上にあげて、ケーブルを抜きます。

あとは、ネジを2本とればOKです。

外のカバーと接続されているケーブルも念のため外しておくと作業が楽になります。
2つともヘラを使ってコネクタを上にあげ、ケーブルを抜き取ります。

新しいスティックを取り付ける
アナログスティックのゴムが少し引っかかりますが、引っ張れば取れます。

ゲームソフトを読み込まない場合
ゲームソフトの清掃をしても読み込まない場合は、本体側のゲームカードスロットに問題がある可能性があります。
背面カバーの取り外し
背面や上下のネジを外します。


左右のネジも外しますが、この際左右にあるネジのうち、中央のネジ以外(計4本)は絶対に外さないでください。

これらのネジを誤って外してしまうと、左右のレールごと本体から外れてしまい、ケーブルを断線させてしまう可能性があります。
筆者も一度このミスでレールごと交換する羽目になりました。
ネジを外したら、へらを差し込みカバーを外します。

SDカードスロットの取り外し
背面カバーが外れたら、次にSDカードスロットを取り外します。

SDカードスロットは本体の左下にある部品で、1本のネジで固定されています。

このネジを外してください。

黒いスポンジの下に、本体と接続しているコネクタが隠れていますので、コネクタを軽く引っ張るだけで簡単に取り外せます。

基板の部品を外す
SDカードスロットが外れたら、次に銀色のシールド板、バッテリー、ヒートシンクなど、ゲームカードスロットを覆っている部品を順に取り外していきます。
銀色のシールド板はネジ6本で固定されているだけなので、すべて外してください。

安全のため、バッテリーも取り外します。

バッテリーは真上に引き抜くだけで取り外せます。

最後に、銅色のL字型のヒートシンクを固定しているネジ3本を外してください。
赤まるで囲った部分がヒートシンクです。


ゲームカードスロットの取り外しと交換
いよいよゲームカードスロットを取り外す作業です。

ゲームカードスロットと基板を繋いでいるケーブルのラッチをヘラなどで持ち上げて、ケーブルを外してください。

次に、固定されているネジを外します。

最後に、赤枠で囲んだ部品を真上に引っ張って取り外すと、ゲームカードスロットを交換できる状態になります。


カードスロットを取り外した状態です。

新しいカードスロットを取り付けたら、これまでの手順を逆の順番で慎重に戻していけば、修理は完了です。
【トラブル対処法】ネジ穴が潰れた・なめた時は?
修理していると、ネジ穴が潰れてしまうことがあります。実際に修理した時に、ネジ穴が潰れてしまったので、そんな時はどうしたらいいのか?対処法を紹介したいと思います。
対処法①:ゴムの摩擦力で回す
ネジ溝が少しでも残っていると、まだネジが回る可能性があります。そんな時には、風船などの薄いゴムを使用して、摩擦力で開けることが出来ます。
- 風船を1センチ角程度に切り、ネジの上に置きます。
- 風船の上からネジ溝にドライバーを当てて、ネジを回します。 軽度の場合は、この方法で開けることが出来ます。
対処法②:ネジ頭を削り取る(最終手段)
ゴムを使っても回せない場合は、本当に最終手段になります。ネジが回らないとなると、ネジを破壊するしかありません。
ダイソーで購入した、ドライバーの柄と鉄工切を使用して、ネジの頭を削り取ります。


六角軸鉄工切(2mm)をドライバーの柄に取り付け、ネジ頭を地道に削り取ります。筆者もテレビを見ながら1時間程度削った経験があります。

ネジ頭がなくなればケースが開き、残った軸をペンチで回して外すことができます。

まとめ:自分で修理してSwitchを長く使おう
ジョイコンの中は見慣れないので、初めてだと緊張しますが、写真や動画を参考にしながら慎重に行えば、意外と簡単にできるはずです。
自分で修理することで費用を抑えられ、修理スキルも身につきます。
もし、「自分には難しそう」と感じたり、修理に失敗してしまった場合は、無理をせず任天堂の修理サービスや専門の修理業者に依頼することも検討しましょう。
失敗してしまった場合でも、メルカリなどでジャンク品として売る選択肢もあります。
また、自分のSwitchを分解するのが怖い場合は、メルカリなどでジャンク品のジョイコンを購入して練習してみるのもおすすめです。
一度修理道具を揃えてしまえば、何度も使えるので長期的に見るとコスパが良いですよ。